景気拡大やM&A(企業の合併・買収)の増加を受け、企業は2002年ごろから積極的にシステム関連投資を進めてきた。しかし、慢性的な技術者不足に加え、経営統合後のシステム開発でも主導権を取ろうとする企業間の対立などを背景に、システム関連のトラブルも相次いでいる。
企業にとってシステム投資は業務の効率化やコスト削減に欠かせない。その成否は企業の競争力を大きく左右する。システム面での相乗効果を狙ってM&Aを進めるケースも多い。
三菱東京UFJ銀行のシステム統合も、旧2行で異なっていたATMの時間外手数料などのサービス水準を一本化し、個人向け取引部門の強化を図ることが最大の目的だ。
過熱するシステム投資に対して、開発体制を支える人的資源は限られている。特に07年から始まった団塊世代の大量退職の影響を受け、システム開発を主導する熟練技術者の不足感が強まっている。
一方、大規模なシステムトラブルが起きても訴訟まで発展するケースはほとんどないのが実情だ。
元NTTアメリカ社長で企業の情報システムに詳しい林紘一郎・情報セキュリティ大学院大学教授は「システム統合では根幹部分のシステムを最優先にする傾向がある。重要度が低い部分の仕様まで厳密に契約に盛り込むことは少なく、トラブル発生時の責任の所在があいまいになりがちだ」と指摘する。
欧米などに比べてシステム障害の事例などを共有化する体制作りが遅れているとの指摘もある。
(2008年5月13日 読売新聞)
うまくいきませんね
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